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【具体例あり】求人票作成の3つのコツを採用ライターが解説!求人マーケットの現状や意外と見られているポイントも紹介

求人票を作成する際、こんな悩みはありませんか?

 

  • 良い人材が見つからない
  • 見つかってもすぐに辞めてしまう

 

この悩みは全て求人票の書き方次第で解決します!

 

転職回数10回以上・求人票ライターの経験もある採用ライターが、応募率を倍増させる求人票の書き方を解説します。

 

求人票作成の3つのコツは1つを意識するだけでも、グッと良い求人票を書けるようになるので、ぜひ参考にしてください。

求人票作成3つのコツ

求人票とは?なぜ重要なのか求人マーケットの現状も踏まえて解説

求人票に書くべき項目は法律で定められている

求人票とは、求人を募集する際に作成する労働条件や勤務地などを記載した書類のことです。最低限、求人票に記載しなければならない労働条件は、職業安定法によって定められています。

「労働者を募集する企業の皆様へ」

画像出典:「労働者を募集する企業の皆様へ」,p2,厚生労働省

 

求人票が重要な理由

 

求人票が重要な理由は主に以下の2点です。

  1. 求人広告の効果に影響する
  2. 不採用・早期退職者を求人票で減らせる

 

まず1について、求人広告の効果は有効求人倍率や掲載媒体の知名度などにもよりますが、それらは求人票の内容によって変えることはできません。ただし情報の伝え方だけは、求人票の書き方次第でいくらでも変えることができ、求人広告の効果にも影響します。例えば、「簡単な仕事です!」と記載するより、「書類に誤字脱字があったら赤ペンで囲むだけの簡単な仕事です!」と記載した方が、仕事のイメージがわいて応募数も増えます。

 

また2についてですが、求人票の伝え方次第で不採用・早期退職者を減らすことができます。なぜなら、求人票で情報を伝えきることで、あらかじめミスマッチを防げるからです。

参考に、不採用・早期退職者の理由のランキングを以下にまとめました。

不採用理由のランキング

1番:経験の不一致

2番:適正(経歴など)の不一致

(参考:不採用から学ぶ,1p,ハローワーク布施)

 

早期退職理由ランキング

1位:人間関係

2位:労働時間・休日

(参考:新卒1年目の転職は厳しい?転職理由やタイミングを381人にアンケート調査,Biz Hits)

 

この不採用・早期退職理由の上位は、全て求人票の書き方次第で改善できます。経験や適正(経歴など)、労働時間・休日について、具体的な数字など客観的に判断できるデータを求人票を書くことで、不採用・早期退職の可能性が高い求職者を求人段階でふるいにかけられます。

 

例えば、経験については「医療事務の実務経験3年以上」、など誰でも判断可能な基準を書き込めば、条件に合わない求職者の応募を事前に防げます。

 

また、早期退職理由ランキング上位の人間関係についても、従業員の声を求人票に掲載することで、働く前に職場の人間関係を求職者にイメージしてもらえます。具体的には、「月に1度はみんなで飲みに行く」、「忘年会など年に数回の定期イベント以外は、社員それぞれプライベートを大切にしている」、など従業員同士の距離感などが分かると、入社してからのギャップが生まれづらくなります。

 

ここで注意すべきは、社内イベントが多いから良い・悪い、ではなく社内の雰囲気を正直に伝えることです。自社に合いそうな長く働いてもらえる人材に応募してもらうことを目標にしましょう。

 

求人マーケットの現状

求人ニーズの現状として、有効求人倍率は上昇傾向にあり、求職者よりも求人が多い売り手市場になっています。日本全体の人口減少問題もあり、2030年には644万人の人手不足に陥ると考えられます。(参考データ:労働市場の未来推計 2030,パーソル総合研究所)

 

政府の人手不足解消の施策としては、非正規雇用労働者の正社員化支援や、求人と求職のマッチング支援などがあります。(参考データ:人材確保対策,厚生労働省)

 

求人マーケットが売り手市場だからこそ、求人票や求人広告の書き方は非常に重要です。

求人票作成の3つのコツ

ここでは求人票作成の3つのコツについてお話します。自社の求人票を作成する場合はもちろん、就職・転職媒体の担当者としてクライアントの会社の求人票を作成する際も活用できます。

1.ターゲットを意識する

まず、求人票を見てほしいターゲットを決めましょう。経験者向けの求人なのか、未経験者向けなのかでは、アピールする内容に大きな違いがあります。

 

できる限り、多くの人に見てもらいたい気持ちはわかりますが、ターゲットは絞れば絞るほど求職者の胸に深く言葉が刺さり、行動を起こす(応募する)確率が高まります。

 

例えば、街でティッシュ配りと出会った時、あなたが花粉症ならどちらのティッシュを受け取りたいでしょうか?

 

A:「使い勝手の良いティッシュです」

B:「花粉症の方専用のティッシュです」

 

私ならBの花粉症の方専用のティッシュが通りすがりに配られていたら、もう一度通りすがり直して受け取ります。(花粉症民)

 

求人票に年齢制限をかけることはできませんが、「上下関係がなくフラットな職場です」など若手に刺さりやすい表現はあるので、「20代未経験で、上下関係の厳しい人間関係が合わなくて退職した人向けの求人」など、できるだけ絞って考えると反応率も上がり、届けたい人をイメージすることで求人票も書きやすくなります。

2.5W1Hを意識して給与・仕事内容・勤務地を書く

求職者が知りたがっている情報を詳しく書きましょう。

 

中でも以下の情報は、これが一致しなければ「応募の検討もしない」という条件です。

 

  1. 勤務地
  2. 仕事内容
  3. 給与

 

(出典:ディップ総合研究所,「これまでの求人募集が変わる!求職者が応募したくなる採用のヒント~アルバイト・パート3,000人アンケート~」

 

これらの情報は特に求職者が興味のある話題なので、5W1Hを踏まえて、できる限り具体的に書きましょう。

 

5W1H

When:いつ

Where:どこで

Who:だれが

What:何を

Why:なぜ

How:どのように

 

中でも給与は特に重視する人が多いので深夜勤務、残業があった時の手当など、アピールできそうな情報は漏れなく書きましょう。

 

また経験者と未経験者で給与に違いがあるなら、経験者・未経験者ごとの年収例を以下のように詳しく書くのも有効です。

 

<未経験者・20代>

入社 3年目:300万円

入社 10年目:400万円

入社 20年目:500万円

 

<経験者・20代>

入社 3年目:400万円

入社 10年目:500万円

入社 20年目:600万円

 

できれば年収例はボーナスや残業代込みなのかどうかも記載しましょう。手当があるなら、どういった時に適用され、いくらもらえるのかなど給与や他の項目に関しても、できる限り具体的に書くことをオススメします。

 

3.数字など客観的データも合わせて書く

アピールポイントは、数字など客観的データも合わせて書きましょう。

 

よく以下のような求人票を目にしますが、数字など客観的に判断できるデータがなければ、実状と求職者側のイメージとのギャップが生まれやすいです。

 

A:「仲が良い職場です」

B:「残業が少なく、プライベートの時間を大切にできます」

 

もし上記のBの記載があった場合、求職者は「仲が良いなら週に1回はみんなで飲みに行く感じかな」と考えるかもしれません。しかし、現状は「みんなで飲みに行くのは年に数回だけど、雑談はよくしてるし、仲が良いだろう」かもしれません。

 

このギャップが、「なんだか思ってたのと違う」という求職者の入社後のギャップにつながります。

 

そのため、以下のように数字を入れて誤解のない明白な表現を心がけましょう。

 

修正前:

「社員仲が良く、みんなでよく飲み会をします」

 

修正後:

「社員仲が良く、月に1回は部署の仲間8人ぐらいでオンライン飲み会を開きます」

 

意外と見られている求人票作成のポイント

求人票を作成する際、見落としがちなポイントについてここでは解説します。

経験者・未経験者向けで書き方を変える

「ターゲットを絞る」というところでも記載しましたが、経験者・未経験者向けで書き方を変えることは重要です。

 

経験者と未経験者向けでタイトルを変えて、求人票を分けるのも良いでしょう。

 

未経験者向けの求人票なら、研修の有無や仕事を覚えて独り立ちするまでの期間、先輩や上司のサポートはどの程度あるのか、など丁寧に書いた方が求職者の不安が解消されやすいです。

 

経験者向けなら、今回の募集の経験レベル(営業事務3年以上など)や、すぐに仕事を任せてもらえるのか、前職の給料を考慮してもらえるのか、など未経験者とは異なる項目が重要になります。

 

経験者・未経験者向けで、書き方を変えるようにしましょう。

職場の雰囲気がわかる!従業員の声を載せる

担当した求人媒体で求職者からのヒアリング結果をチェックしていると、入社するまでは人間関係が分からないので「従業員の声」のコーナーが非常に参考になった、という意見を多く目にしました。

 

私自身、転職回数10回以上とかなり多い方ですが、応募する時、人間関係は特に気にしていました。面接でも社風を聞くことはありましたが、なかなか人間関係について突っ込んでは聞きにくいので、クチコミサイトや求人票の従業員の声はかなり参考にしていました。

 

従業員の声を記載する場合、できれば未経験20代・3年目の声、経験者30代・10年目の声、など幅を持たせて書くと、求職者側で自分が社風にマッチするのかどうかを判断してもらいやすくなります。

 

例えば、未経験の25才の求職者が求人票を見た時、未経験20代・3年目の声で「同年代が多く、感覚が近いので話しやすい」などと書かれていれば、大きなアピールポイントになりそうですね。

 

交通アクセスを詳しく書く

交通アクセスの記載についても、勤務地に関わるところなので重要です。

 

求職者の応募理由は「家から通いやすい」も、かなり多く見られます。住所だけではなく、「〇〇駅から徒歩5分」や、シャトルバスの提供がある場合は「〇〇駅からシャトルバスで5分」など、詳しく記載しましょう。

 

忙しい求職求職者に住所だけ見て「なんだか遠そう」と思われると、そのまま詳しいアクセスを調べてもらうことなく、応募リストから外れてしまいます。

 

またマイカー通勤がOKなのか、公共交通機関のみなのか、も書くと良いでしょう。

 

基本的によほど気になった場合以外は求職者は問い合わせしてまで確認しないので、給与・仕事内容・勤務地に関わる情報は、特に過不足なく記載しましょう。

まとめ

今回の内容をまとめると以下の通りです。

 

  • 求人票の書き方次第で不採用・早期退職は防げる
  • 求人票作成の3つのコツは以下の通り
  1. ターゲットを意識する
  2. 5W1Hを意識して給与・仕事内容・勤務地を書く
  3. 数字など客観的データも合わせて書く
  • 意外と見られている求人票作成のポイントは以下の通り
  1. 経験者・未経験者向けで書き方を変える
  2. 職場の雰囲気がわかる!従業員の声を載せる
  3. 交通アクセスを詳しく書く

 

求人票作成の3つのコツのうち1つを実践するだけでも、グッと良くなるのでぜひ試してみてください。

 

また、こちらのメディアでは、採用担当者のための求人票の書き方や豆知識を発信していく予定ですので、他の記事もチェックして「できる採用担当」を目指しましょう。

 

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